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子どもの安全2026-04-11

子どもの略取誘拐、どこで・何時に起きているか?警察庁統計を分析しました

この記事のポイント

警察庁「刑法犯に関する統計資料」をもとに、東京・大阪・愛知・神奈川・埼玉・千葉・兵庫・福岡の8都府県の発生場所・時間帯・地域傾向を徹底分析。小学生が被害の40%、放課後15〜17時が最危険という実態をデータで示します。

「うちの近所は安全だから大丈夫」と思っていませんか?

子どもの略取誘拐は毎年全国で200〜400件発生しており、その半数近くが18歳未満です。 bouhan-map.comでは、警察庁が公開している統計データをもとに、どの地域で・何時に・どんな場所で事案が発生しているかを分析しました。


全国の発生状況:三大都市圏に65%が集中

令和4年の略取誘拐・人身売買の認知件数は全国で 248件

都道府県別 略取誘拐 認知件数(令和4年)

関東圏だけで全体の42%、三大都市圏(関東+近畿+中部)を合わせると65%超が集中しています。

リスク区分 主な都道府県 認知件数
🔴 高(20件以上) 東京・大阪・愛知・神奈川 計110件
🟠 中(10〜19件) 埼玉・千葉・兵庫・福岡 計60件
🔵 低(5〜9件) 北海道・静岡・京都・広島など 計42件
⚪ 最低(4件以下) 上記以外の道府県 計36件

被害者の年齢層:小学生が最多の40%

略取誘拐の被害者を年齢層別にみると、小学生が約40%と最多です。

小学校入学を機に一人歩きの機会が増えることが背景にあります。 「男の子だから大丈夫」という油断も禁物で、男女ともに被害が発生しています。

年齢層 割合
未就学児(0〜5歳) 8%
小学生(6〜11歳) 40% ← 最多
中学生(12〜14歳) 22%
高校生(15〜17歳) 15%
18歳以上 15%

東京・大阪の発生場所比較

東京・大阪 発生場所と時間帯の比較

東京都(38件・全国最多)

  • 路上・公園が50% と最多
  • 足立区・江戸川区・練馬区で発生が多い傾向
  • SNS起因が14% と全国最高水準(中高生のスマホ利用増と連動)
  • 放課後15〜17時に全体の**30%**が集中

大阪府(29件・全国2位)

  • 市中心部より周辺住宅地(東大阪・八尾・守口)の発生率が高い
  • 住宅地路上が26%と東京より高い(立命館大の研究でも裏付け)
  • 放課後から夕方(15〜19時)の長い時間帯がリスク帯

愛知・神奈川の発生場所比較

愛知・神奈川 発生場所と時間帯の比較

愛知県(22件)

  • 車による連れ去り型が特徴(車内・駐車場が16%と8都市最高)
  • 朝の登校時間帯(6〜8時)が22% と8都市中最高 ← 自動車社会特有のリスク
  • 名古屋市北区・中川区・港区など工場地帯周辺の住宅地に集中

神奈川県(21件)

  • 川崎・横浜の繁華街周辺での事案が多い
  • 郊外住宅地(相模原・藤沢)にも分散して発生
  • 夜間(20〜23時)が12% と高水準

埼玉・千葉の発生場所比較

「郊外だから安全」は禁物です。関東圏の住宅地は都心と同様のリスクがあります。

埼玉・千葉 発生場所と時間帯の比較

埼玉県(18件)

  • 路上・公園が46% とやはり路上が最多
  • さいたま市周辺の住宅地路上が中心で、学校周辺(12%)も高め
  • 放課後31%・夕方21%と、帰宅時間帯が特にリスクが高い
  • 郊外住宅地の通学路に死角が多い点が特徴

千葉県(14件)

  • 千葉市・船橋市周辺の住宅地が中心
  • 駅周辺が14% と郊外都市特有の駅前リスクがある
  • SNS起因の被害が首都圏全体で増加しており、千葉も例外ではない
  • 放課後29%・夕方22%と放課後〜夕方のリスク帯が長い

兵庫・福岡の発生場所比較

繁華街を持つ大都市は、夜間帯のリスクが地方都市より高い傾向にあります。

兵庫・福岡 発生場所と時間帯の比較

兵庫県(14件)

  • 神戸三宮・阪神沿線の駅・繁華街周辺が16% と高い
  • 夜間(20〜23時)が11% と繁華街都市特有のリスク
  • 路上・公園も40%と依然として最多で、住宅地路上(22%)も多い

福岡県(14件)

  • 博多・天神エリアの駅・繁華街周辺が18% と今回分析した8都市中最高
  • 夜間(20〜23時)が13% と8都市中で最も高い夜間リスク
  • 日没後の一人歩きが特に危険で、繁華街近くの住宅地でも注意が必要

8都市に共通する「危険のパターン」

分析の結果、都市に関わらず共通するパターンが4つ確認されました。

8都市共通の危険パターン

① 路上・公園が発生場所の約45%

通学路の死角・見通しの悪い路地・人通りの少ない公園が最頻発スポットです。 自宅から半径500m以内の「よく知っている場所」での被害も多く、油断は禁物です。

② 放課後15〜17時が最危険時間帯

8都市すべてで共通のピーク時間帯です。大人の目が少なく、子どもが単独行動しやすい時間です。 日没が早くなる秋〜冬はリスクがさらに上がります。

③ 小学生が被害の約40%

一人歩きが増える小学1〜3年生が特に脆弱な傾向にあります。 「まだ近所だから」という短距離の一人行動が危険な場面も少なくありません。

④ SNS経由の被害が全都市で増加中

警察庁の調査では、SNS起因の被害の被疑者の71%が性交目的と判明しています。 スマートフォンにフィルタリングを設定していない中高生が特に狙われやすい状況です。


まとめ:今日からできる3つのこと

  1. 通学路を一緒に歩いて確認する 見通しの悪い路地・死角になる曲がり角をお子さんと一緒に確認しましょう。

  2. 放課後の行動ルールを決める 15〜17時の単独行動を減らす、帰宅時に必ず連絡させるなどのルール設定が有効です。

  3. スマートフォンのフィルタリングを設定する SNS経由の被害を防ぐために、コミュニティサイトへのアクセス制限が重要です。


bouhan-map.comでは、全国の不審者情報をリアルタイムで地図表示しています。 毎日の通学路のリスク確認にご活用ください。


データ出典 警察庁「令和4年の刑法犯に関する統計資料」 警察庁「令和5年における行方不明者の状況」 警視庁「子ども・女性の安全対策に関する有識者研究会」 立命館大学 花岡和聖(2016)「大阪府における不審者遭遇情報の地理的分布」 ※ 発生場所・時間帯の一部は公開統計からの推計値を含みます。

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